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空の切り取り線

2009/02/05 10:19

彼から、返事は、なかった。


‥不意に見上げた先の
貴方の横顔がどこか悲しく見えて
私は視線を逸らせなくなっていた。

「なんや?」

「いえ、別に‥じゃなくて!
真面目に仕事してくださいよ!」

「百面相みたいやで、椿ー」

「もう‥さっきからずっと外ばかり見て
何か面白い物でもあるんですか?」

「‥‥椿には、どんな風に見える?」

「どんな風って‥
いつもと変わらない景色ですけど」

「せや。いつもと変わらへんで?」

「は?」

「せやから見てんねん」

「はぁ??」

「この世界はな‥
お日さんの下では賑やかに
お月さんの下では静やかに
当たり前にこれを繰り返す。
毎日同じ今年ばっかでつまらん思うけど
皆、必ずこの不変を求めるんや
‥ほんまの幸せてこういう事なんかもな」

「老人みたいです、杉浦さん」

「あはは、ほんまやなぁ
‥‥椿も変わらんでな?」

「ええ、勿論ですよ」

「せやな‥せやったらええな」

「なんだか‥‥」



変わってしまうような言い方ですね
と言うつもりだった。
けれど、其れは
言ってはいけない言葉だと、わかった。



「変わりませんよ、僕は。
それに、貴方も。絶対に」





彼から返事は、なかった。
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